
「人類によって絶滅した生き物たちの悲劇」の記事では、産業革命以後、人類の科学技術の飛躍的な発展の影で絶滅してしまった生き物たちについてみました。
そして今でも、生息数を減らし、絶滅の危機に瀕している種も存在しています。
ここでは、そうした人類が滅ぼしつつある生き物たちについての現状を見て、私たちにできることがあるのかを考えてみましょう。
人間の都合やわがままで滅んでいい生き物はいません。そんな権利も私たちは持っていません。
罪のない生き物たちが滅びの危機を迎えている、そんな事実にここで目を向けてみましょう。
絶滅の危機にある生き物たち
一口に絶滅危惧種といっても、その中にはいくつかのカテゴリーがあることをご存じですか?
国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストでは絶滅の危機の程度をランク付けしていて、危険度の高い順から
【CR】Critically Endangered「絶滅危惧IA類(CR)」
【EN】Endangered 「絶滅危惧IB類(EN)」
【VU】 Vulnerable「絶滅危惧II類(VU)」
という3つのカテゴリーに区分しています。
ここではこのカテゴリ別に、絶滅危惧種となっている生き物についてみましょう。
【CR】Critically Endangered「絶滅危惧IA類(CR)」
クロサイ
アフリカのサバンナに生息するサイで、密猟による角の採取が原因で数が激減しています。
クロサイの角は万病に効く薬になるという言い伝えがあるほか(科学的な根拠はない)、
高額での違法取引が行われるため、その角を目的に乱獲が行われているのです。
保護活動により少しずつ回復していますが、依然として絶滅危惧種の中でも最も危機的な
Critically Endangered「絶滅危惧IA類(CR)」に分類されています。

カリフォルニアコンドル
全長130cmほどもある大型の猛禽類であり、20世紀初頭には野生個体が激減しました。
土地開発による生息地の減少が主な要因となって生息数を減らしてきました。
また、動物の死骸を食べるという食性が望ましくないものとされ射殺されるケースも相次いだそうです。
保護活動により数が回復しつつありますが、それでも数百頭程度とされる個体数の少なさで、依然として絶滅危惧種です。
【EN】Endangered 「絶滅危惧IB類(EN)」
アフリカゾウ
最新のレッドリストの評価では、Endangered 「絶滅危惧IB類(EN)」に区分され、今も個体数を減らしています。
アフリカ全土に生息するゾウで、象牙のための密猟が最大の脅威の1つになっています。
また、土地開発や農業用地への転換などの影響で、アフリカゾウの生息地が減少していることも、個体数を減らす要因の1つであるといえます。
象牙の違法取引の取り締まりをはじめとしたさまざまな保護活動が進められていますが、未だに危険な状況で、Endangered 「絶滅危惧IB類(EN)」と位置付けられています。
ボルネオゾウ
マレーシア領のボルネオ島に生息する小型のゾウで、ゾウの仲間のなかでは最も小柄であるといわれます。
森林伐採や密猟により生息地が減少しており、今後もこうした傾向が続くと考えられることから、
2番目のランク付けとなるEndangered 「絶滅危惧IB類(EN)」に分類されています。
アムールトラ
ロシア東部や中国北部に生息するトラで、体長2.5mにも届く大型の種です。
アムールトラの生息には広大な森林面積が必要であると考えられていますが、密猟や生息地の破壊により数が減少しています。
トラの骨は漢方薬の原料になるとされているため、それを求めて密猟の対象になるといったことも起こっています。
近年では保護活動が進み一定の成果を上げ個体数は回復してきているものの、依然として絶滅の危機に瀕していると考えられています。

【VU】 Vulnerable「絶滅危惧II類(VU)」
ジャイアントパンダ
世界中の人達から愛されるジャイアントパンダは、実際に見たことのある人も多いかもしれません。
しかしそんなジャイアントパンダは、2016年にIUCNのレッドリストに入り、種の脆弱性が認められるVulnerable「絶滅危惧II類(VU)」と評価されています。
中国の山岳地帯に生息するパンダは、竹の森の減少により生息地が狭まり、絶滅危機に瀕していました。保護活動の結果、最近では数が増加していますが、依然として脆弱な状態です。
ホッキョクグマ
2015年にIUCNのレッドリストに入り、種の脆弱性が認められるVulnerable「絶滅危惧II類(VU)」と評価されています。
地球温暖化と、それにともなってホッキョクグマの生息地である北極圏の海氷が解けることで、エサとなるアザラシを獲れる機関が不十分になって、結果として生息数が減少しているといわれています。
また地球温暖化はホッキョクグマにとっての食料供給だけでなく、その他の生物の生息地が変わることによって新たな病気が流入するようになる懸念もあります。
また、北極圏の環境汚染も見逃すことのできない点であり、こうした理由から中長期的にはホッキョクグマは生息数をさらに減らすことが予想されているのです。

生存を脅かす脅威 ― 人類の罪
絶滅危機種の多くは、人間活動に起因する生息地の破壊、密猟、気候変動などによって脅威にさらされているといえます。
人類のエゴが、貴重な生態系を破壊し、種の危機を招いている構図であると言い換えることもできるでしょう。人類が犯してきた罪であるといってもいいかもしれません。
ここでは、私たち人類のどのような行いが、こうした結果を招いてきたのかを見てみたいと思います。
生息地の破壊
農地を確保するための森林伐採や、居住地のための土地の開発により、動植物の生息地が失われています。
例えばダムや道路といったインフラの建設によって、川や山が分断され、動物の移動が制限されることで、食料を含め適切な住環境を得ることができなくなってしまうのです。
こうした開発や都市の拡大は、多くの種が生息する場所を奪い、絶滅の危機を引き起こしている一例といえます。

密猟・乱獲
象牙やサイの角に代表されるような、宝飾品などの用途で求められるもの、高値で密売されるものは密猟の対象となり、安易に命が狙われる事態を引き起こしています。
海洋生物についてもこれが当てはまります。
乱獲により、魚の個体数が減少し、生態系全体が影響を受ける事例も見られ、マグロやサメなどは乱獲によって数が激減しています。
こうした密猟や乱獲が起こるのは、私たちがそれらを求める需要があるからであり、人間の行き過ぎた要求が、多くの動物を絶滅の危機に追いやっています。

環境汚染
これは私たちにとっても分かりやすくイメージしやすいものかもしれません。
農薬や工業廃水が川や海に流れ込み、水質汚染が進むことで魚類や水鳥が生息する環境を汚染します。
これによりそこに住む魚たちが生息できなくなったり、その魚を食べる鳥のような食物連鎖の上位にいる種が悪影響を受けることになります。
また空気汚染も同様に、大気中の有害物質が動植物の健康に悪影響を与え、生息地全体のバランスを崩すことがあります。
気候変動
気候変動によって生息環境が変化し、適応できない種が減少しています。
例えば前述のホッキョクグマは北極の氷が溶けることで狩りができなくなり、絶滅の危機に瀕しています。
また、気候変動によって、干ばつや大雨などの異常気象が引き起こされるケースが増えていると考えられます。気候変動と異常気象は生態系の破壊につながり、種の絶滅を加速させてしまいます。
さらに、気候変動によって地域の生物の生息地が変わってくることがあります。
それに伴って、外来種が新たな地域に侵入すると、在来種との競争や捕食によって在来種が減少することがあるのです。

これらのさまざまな要因が単独で、または複合的に作用して、多くの動植物が絶滅の危機に瀕しています。人間活動の影響を最小限に抑え、持続可能な方法で自然と共存することが求められています。
種を守る取り組みや組織・活動
ここまでみたように、私たちの活動が一見健全な需要に応えるためのものであったとしても、それが地球環境に悪影響を与え、種の存続の危機を招いてきたということは否定できません。
一方で、危機に瀕している種を守る取り組みも行われています。
特に、世界中に数多く存在する環境団体は、絶滅危惧種を守るために地球規模での活動を行っていて、そのおかげで絶滅を免れている種もいます。
ここでは、そうした代表的な環境団体をいくつか紹介します。
世界自然保護基金(WWF: World Wildlife Fund)
1961年に設立された世界最大規模の自然保護団体で、持続可能な環境をつくることが活動の主眼とされています。
その活動地域は世界中におよび、日本にも世界自然保護基金ジャパン(WWFジャパン)という支部が置かれています。
絶滅危惧種の保護、生息地の回復、自然環境の保全、持続可能な資源利用の促進、気候変動への対応、環境教育など幅広い分野で活動に取り組んでいます。
国際自然保護連合(IUCN: International Union for Conservation of Nature)
1948年に設立された、世界中の政府機関や非政府組織が参加する国際団体で、絶滅危惧種のレッドリストの作成や自然保護政策の策定に貢献しています。
日本は1978年に環境庁が初めて加盟した後、1995年からは国家会員として加盟しています。
最も注目されるのが、内部委員会である、種の保存委員会が作成している絶滅危惧種のレッドリストです。
代表的な絶滅危惧種の例を上記でご紹介しましたが、こうした種はレッドリストに登録された種でもあります。
2019年版の時点では,IUCNレッドリストデータベースに登録されたものは112,432種、うち30,178が絶滅危惧種と評価されています。

IUCN ロゴマーク
自然保護協会(TNC: The Nature Conservancy)
1951年に設立されたアメリカを拠点とする自然保護団体で、自然の保護を目的として土地の購入を行うことを活動の中心に位置づけています。
世界中に活動拠点を設けており、世界の79の国や地域と、アメリカ国内の全衆に支部があります。
生態系の保全、持続可能な農業や漁業の推進、水資源の管理などといった様々な活動を行っていますが、「10億本の木を植えるキャンペーン」はその代表的な取り組みの一例といえそうです。
この取り組みでは、中国、コロンビア、グアテマラ、ケニア、タンザニア、メキシコ、米国で大規模な植樹を行ってきました。
森林が地球の気候を安定させる大きな役割を果たしていることから、このキャンペーンも同様に気候変動を抑制する方法として知られています。
バードライフ・インターナショナル(BirdLife International)
1922年に発足した国際鳥類保護会議が母体となり設立された、鳥類の保護を目的とした国際団体です。
日本でも2002年に、アジア地域での活動の拠点として、バードライフ・インターナショナル東京という支部がおかれています。
絶滅危惧種の鳥類やその生息地の保護に力を入れているほか、環境教育、科学的調査などといった活動を行っています。
こうしてみると、世界の各地で絶滅危惧種を守る活動を行う組織が活躍していることがわかります。そしてその取り組みは地球規模の広がりを持っているといえます。
こうしてみると、エゴや利己主義で、生態系や地球環境を破壊するだけが私たち人類ではなく、
かけがえのない地球環境や生物の多様性を守る慈しみの心も同時に持ち合わせているといえるのではないでしょうか。
私たちにできること
絶滅危惧種を守るためにの取り組みは、こうした大規模な組織の活動によるものだけではありません。
もちろん、私たちが個人レベルでできることがたくさんあります。
具体的にどのようなことができるか、一緒に考えてみましょう。

環境保護団体への支援
環境保護団体に寄付をすることで、彼らの活動を支援することができます。
例えば、前述のWWFジャパンでは公式ホームページから寄付の受付を行っているほか、公式グッズを購入するとその利益の全額が環境保全活動に役立てられる、という仕組みもあります。
日用品から衣類などさまざまなカテゴリのグッズが販売されているので、日常のお買い物の一部をこうしたチャリティーグッズに置き換えて寄付をするのも、アイデアの1つかもしれません。
消費行動の見直し
環境に優しい製品や持続可能な認証を受けたエコ商品を選ぶことで、環境に対する負荷を減らすことができます。
近年注目されている、プラごみによる環境汚染と生態系への悪影響ですが、使い捨てプラスチックを減らし、再利用可能な製品を使用することで、そうした悪影響を抑えることができます。
お買い物にはエコバッグを持参する、というのはそうした点で最も身近な取り組みの第一歩ですね。
また、地元で生産された食品を購入するなど、地産地消を意識して購買・消費をすることは、輸送による環境負荷を減らし、地域経済を支援することにもつながる有益な活動といえるでしょう。
持続可能な生活スタイルの実践
電気や水の使用を節約し、エネルギー効率の高い家電製品を選ぶことで、省エネにつながり、環境への負荷を軽くすることができます。同時に家計にも優しいというメリットもありますね。
また、ゴミの分別やリサイクルを徹底することで、資源の無駄を減らすことも重要です。
3つのReとして広まってきている、Reduce(減らす)、Reuse(再利用する)、Recycle(リサイクルする)を普段から心がけて実践することが大切です。
持続可能な生活スタイル、というと少し難しそうにも聞こえますが、こうした日常のほんの小さな取り組みも大切なステップになります。

興味・関心を持って学び、シェアする
生態系について、生き物について、地球環境についてなどなど、私たちが学べる分野は数多くあります。
こうした事柄を知ることで、私たち自身の行動もより地球に優しいものに変わることが期待できるのではないでしょうか。
また、そのようにして学んだ知識、絶滅危惧種や環境保護に関する情報を家族や友人に共有することで、認識を広げることができます。
そうすることで環境保護の輪が周囲にひろがり、普段の心がけもより効果的なものになるはずです。
壊すのも守るのも私たち
産業革命以後、飛躍的に進歩した科学技術によって私たちの生活は大きく発展しました。
そして資本主義的な経済活動がますます拡大するにつれ、
私たちは日常の利便性や嗜好性を、経済的な利益を次々と追い求め、
その結果地球の自然環境や多様な生体系は顧みられることなくその数を減らし、中には絶滅したものもありました。
これは明らかに人類のエゴによる行き過ぎた悪影響に他なりません。
しなしながら、私たちの精神の中から、地球を愛し生命の尊さを大切にする気持ちが失われたわけではありません。
公害問題など様々な問題が引き起こされるなかで、学び反省したことがあるはずです。
様々な生き物の種が失われ、地球環境が荒廃していく中で、失ったものの尊さに気づいたはずです。
それが世界中の保護団体の存在や、彼らによる保護活動という形で表れているのではないでしょうか。
そしてその気持ちは、私たち個人でも実際に行動で形に表すことができます。
こうした心と1つ1つの小さな行動が、かけがえのない地球環境を守り、
絶滅の危機に瀕している生き物を守ることにつながります。

参照
https://www.iucnredlist.org/
ペット愛葬社 石郷岡
当社は北陸地域の金沢市、小松市、福井市、鯖江市の計8ケ所に店舗があり 石川は加賀・福井は敦賀と全域で、
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