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『「ペットロス」は乗りこえられますか?心をささえる10のこと』を読んで

     

    私たちペット愛葬社では、ペットのお葬儀・火葬から、動物霊苑へのお納骨のお手伝いまで、

    数多くのペットちゃんたちのお別れのお手伝いをさせていただいております。

     

    かわいがっていたペットとの死別はとても大きなショックと悲しみ、時にはさまざまな不安も入り混じるもので、

    お別れのお手伝いにあたりご家族のみなさまとお話をさせていただくと、

    その痛みや喪失感の深さは計り知れないものがあると、日々感じます。

     

    そうしたお話のなかで必ずといって良いほど話題に上るのが「ペットロス」についてです。

    「ペットロス」の言葉を使わなくても、その深い悲しみや喪失感については避けることのできないものであり、

    またその感じ方や受け止め方は人それぞれ千差万別です。

     

    そんな悲しみの中にあるご家族様と共に、お別れのお手伝いに寄りそう立場として、私たちにとっては「ペットロス」への理解は欠かせません。

    カウンセラーのような専門職の方々のようにはいかずとも、

    お葬儀の間だけでもご家族様にとって感じるままに気持ちを話すことのできる相手として、

    そばにいられることが大切なのではないかと日々感じています。

     

    このように「ペットロス」というのは、ご家族とペットとのお別れのお手伝いに従事するスタッフにとって、その理解がとても重要であり、

    もはや切っても切り離せないテーマでもあります。

     

    そんなペットロスに関して、愛する家族動物を失った家族のみなさんはもちろん、

    私たち葬祭従事者にとっても、とても素敵な本がでましたのでご紹介します。

     

    著者: 濱野 佐代子『「ペットロス」は乗りこえられますか?心をささえる10のこと』

     

     

     

    本の概要

    「こんなに愛しい存在といつか別れる日が来る」それは共に生きる宿命

    無償の愛を与えてくれる唯一無二の存在。ペットを亡くしたとき、人は大きなショックと痛みを受けます。

    「こんなに苦しいのは私だけ?」
    いいえ、あなただけではありません。この瞬間にも世界中で何千万の飼い主が、同時に「ペットロス」に遭っているのです。
    いつまでも悲しく忘れられない、つらく苦しい「ペットロス」。
    いつか、乗り越えられる日が来るのでしょうか?

    そんな飼い主の思いに、心理学博士で獣医であり、長年「ペットロス」のカウンセリングと研究を続けてこられた日本獣医生命科学大学の教授・濱野佐代子先生が答えます。

    ・まだ若いペットを飼っているけど、この子がいなくなる日が今から怖い。
    ・「ペットロス」のことは考えたくないけど、気になっている。
    ・年を取った、病気がちなペットのことが心配。
    ・亡くなったペットが忘れられない。
    ・次のペットを迎えるべきか迷っている。
    ・一人暮らしでペットを飼っている。

    こんな方々に、ぜひ読んでいただきたい一冊です。

    ベストセラー『わたしのげぼく』のくまくら珠美さんのたくさんの挿画がオールカラーで掲載。あなたの心のパートナーに、きっとなってくれます!

    https://store.kadokawa.co.jp/shop/g/g322401000269/より引用

     

    (画像:https://store.kadokawa.co.jp/shop/g/g322401000269/より)

     

    著者プロフィール

    著者の濱野佐代子さんは、日本獣医生命科学大学獣医学部獣医学科教授・博士(心理学)であり、

    同時に獣医師、公認心理師、臨床心理士としての顔も持つ、いわば人と動物の双方の専門知識と経験に通じた方であるといえます。

    その経歴をみると、同大学獣医学科卒業。白百合女子大学大学院文学研究科発達心理学専攻博士課程単位取得満期退学。

    帝京科学大学教授などを経て2023年より現職に就き、放送大学客員教授も務めるという経歴をお持ちでおられます。

     

    人と動物の関係学・生涯発達心理学を専門として研究されており、

    著書には本書『「ペットロス」は乗りこえられますか?心をささえる10のこと』のほか、

    著書に『人とペットの心理学:コンパニオンアニマルとの出会いから別れ』(北大路書房)、

    『日本の動物観:人と動物の関係史(共著)』(東京大学出版会)などがあります。

     

    また弊社ペット愛葬社も参加・加盟している、一般社団法人 日本動物葬儀霊園協会において、

    2021年8月からペットロスに関しての学術顧問も務めておられ、

    同協会発行の『動物葬祭概論』ではペットロスに関する章を執筆されています。

     

    また、この『動物葬祭概論』は、同協会が実施する動物葬祭ディレクター検定試験の必修書で、

    家族動物、ペットの葬儀や火葬から上記のペットロスの項、宗教に関する知識まで、

    関連の知識や技能を体系的に学べる内容になっています。

    そのため動物葬祭の従事者のみならず、一般の方も数多く受験する認定試験であるといえます。

     

    筆者を含め私たちペット愛葬社スタッフも受験している動物葬祭ディレクター検定試験でも、ペットロスに関する問題は数多く出題されており、

    その必修書となる『動物葬祭概論』でも章を設けて記述がなされていることからも、その重要性が分かります。

    本の構成

    本書『「ペットロス」は乗りこえられますか?心をささえる10のこと』では、

    愛するペットとのかけがえのない時間が死別により終わりを迎え、私たちの胸に刻まれる悲しみとペットロス状態の痛み、

    それに向き合い、受け入れ回復に向かう日々のこと、そしてその後に私たちの心に残されたもの、

    といったペットを迎えた人たちが避けて通ることのできない喪失の体験と、

    そこからの回復や受け入れについて、やさしい言葉で語られています。

     

    『心をささえる10のこと』というタイトルの通り、本編は10の章立てに分けて書かれています。

    1 ペットと人の絆
    2 後悔と心身の不調
    3 ペットロスの悲嘆のプロセス
    4 世の中に認識されにくい悲しみ
    5 ペットロスからの「回復・適応」とは
    6 様々な見送りの方法
    7 回復・適応へのサポート
    8 ペットロスの悲しみに寄り添う
    9 悲しみのトンネル
    10 トンネルの先に

     

    各章の扉ページや本文中の要所に、くまくら珠美さんによる愛らしい挿絵が挿入されていて、

    本文の優しい語り口と同様、柔らかなタッチで私たちの心に寄り添ってくれるようです。

     

    (画像:https://store.kadokawa.co.jp/shop/g/g322401000269/より)

     

    本書の内容と印象について

    ここでは実際に本書を読みながら、書籍の内容や印象をご紹介したいと思います。

     

    1 ペットと人の絆

    ペットたちが生前、私たちのと共に過ごしたかけがえのない時間のすばらしさと、結びつきの強さについて書かれています。

    大切な家族の一員であり、時にはさまざなま介助をしてくれる頼れる存在であり、癒しをもたらしてくれる存在でもあるペットたち。

     

    そんなペットたちは、飼い主の地位に関係なく、無条件の愛を与えてくれる存在です。

    飼い主がたとえ女王でも犯罪者であっても、ペットたちは皆同じように愛らしい姿で私たちに寄り添ってくれます。

    そして飼い主も、親が子どもに無償の愛を注ぐように心からの献身で同じ時を過ごします。

     

    しかしそんな素晴らしい時間も、ペットの死の訪れとともに終わりを迎えます。

    その時には私たちは大きなショックと悲しみに襲われることになります。

     

    こうした死別の悲しみや苦痛は、こうしたペットと飼い主の関わりや愛情の深さに影響されると、著者の濱野佐代子さんは述べています。

    そしてこの悲しみそのものあるいは、それに伴うさまざまな心身の反応がペットロス、であるといいます。

     

    2 後悔と心身の不調
    3 ペットロスの悲嘆のプロセス
    4 世の中に認識されにくい悲しみ

    ここでの3つの章では、たいせつなペットとの死別のあと、私たちが心に抱く悲しみや喪失の感情と、それに伴い心身に現れる不調のこと、

    こうした私たちのペットロスの状態に対して周囲から向けられるまなざしについて書かれています。

    時系列的には、ペットがなくなった直後からの、最もつらく悲しい時期で、

    もっとも「ペットロス」の状態が強く表れる時期について紹介されている、といえます。

     

    ペットロスの状態では、抑うつ、怒り、無力感、集中できないといった心の不調や、

    眠れない、食欲がわかない、頭痛がするといった身体的症状までさまざまなものが現れます。

    こうしたペットロスの悲しみとさまざまな状態は、日常への適応との間でゆらぎ、

    ペットロスの状態と日常生活に戻っていく状態の間を行ったり来たりするものです。

     

    こうした悲しみと辛さを感じるのはあなただけではない、という視点から、

    読者に語り掛けるような表現になってるのが非常に印象的でもあります。

     

    そしてこのようなペットロスに苦しむ人への他者からのまなざしは、時に理解に乏しいことも。

    「ペットが死んだくらいで」とか「いつまでも悲しんでいるとその子のためにならない」といった言葉をかけられることもあるかもしれません。

    そしてこんなに悲しんでいる自分はおかしいのかな?と感じてしまうこともあるでしょう。

     

    ですが愛するペットがいなくなってしまうのが悲しいのは当然のことです。

    それはペットを愛しているからこその痛みであり、それを無理に閉じ込めてしまう必要はないと、アドバイスを与えてくれます。

     

    (画像:https://store.kadokawa.co.jp/shop/g/g322401000269/より)

     

    5 ペットロスからの「回復・適応」とは
    6 様々な見送りの方法
    7 回復・適応へのサポート
    8 ペットロスの悲しみに寄り添う

    ここからは、死別の時から時間の経過とともに、何らかの形で「ペットロス」から立ち直ったり、

    回復したり、折り合いをつけたり、といったある種の受容のプロセスのことについて書かれています。

     

    このような回復・適応にかかる時間はさまざまですが、それは

    ”―悲しみが消えるわけではありません。喪失の悲しみを幸せな思い出とともに、心の中に包み込んで生きていけるようになること” ではないでしょうか?

    と読者に問い、穏やかに語りかけます。

     

    そのやり方も人それぞれです。

    時に罪悪感にさいなまれてしまったときには、してあげられなかったことより、してあげたことに目を向けてあげてください。

    きっとしてあげたことの方が上回るのではないでしょうか?

    という著者の濱野佐代子さんの言葉は、

    ペットロスの悲しみが永遠に続くかのように感じる読者の心にもそっと寄り添ってくれるように感じられます。

     

    また、こうした受容へ向けたプロセスのひとつとして、愛するペットの見送りの方法について1章が設けられ、

    またペットとの別れの悲しみを抱えた人へのサポートについても述べられています。

    ペットロスの悲しみを抱えた本人だけでなく、その周囲にいる身近な人が読むことで、

    そっと寄り添う手助けになるような章でもありますね。

     

    9 悲しみのトンネル
    10 トンネルの先に

    命が尽きた後どうなるのか?死んだらどうなるのか?

    誰も正解を答えることはできないですが、死後のイメージがポジティブなものであれば、消えることのない様に感じられる悲しみも、少し軽くなる助けになる、とここでは紹介されています。

    例えば有名な「虹の橋」のストーリーのような優しい世界で、亡くなったペットたちは私たちを見守ってくれている。悲しみは続いていくけれども、そうしたイメージとともに、ペットたちは心の中に居続けてくれると語ります。

     

    そして最後の章では、ペットとの死別を経験し、続く悲しみの中で、私たちの心に残されたものについて書かれています。喪失感ももちろんですが、決してネガティブなものばかりではありません。

    愛するペットたちがもたらしてくれた癒しや素敵な思い出、大切な存在を愛し慈しむ心、その生涯をもって命の大切さに気付かされたこと、等々。

    たいせつなペットがこの世を去ってしまったあと、残してくれたものの暖かさに、きっとみんな触れることができるはずです。

     

    まとめ

    かけがえのない時間をともに過ごし、たくさんの癒しと安らぎを私たちに与えてくれたペットたち。

    そうしたペットたちとの、いずれやって来る別れの時は、計り知れない悲しみと深い喪失感を心に刻み、

    その苦しみの痛みは永遠に続くもののようにさえ感じられます。

     

    深く愛し、大切な存在として片時も忘れることのない存在。そんなペットを失うことに平気でいられるはずがありません。

    しかし、そうした悲しみや痛みは、ペットたちをそれだけ深く愛していたことの証明でもあります。

    そして同じように、ペットたちも私たちを見返りを求めることなく愛してくれていたに違いありません。

    たくさんの思い出、忘れられないエピソード、愛らしいしぐさ、その生涯を通して私たちにさまざまなものをもたらしてくれました。

    そして、その命がつきる時でさえ、私たちに命の大切さと、死別の悲しみに向き合う強さと成長を与えてくれたといえるのではないでしょうか。

     

    こうしたことが、獣医師と心理師として動物と人の両方に精通した著者の濱野佐代子さんの、

    とてもやさしくわかりやすい言葉でつづられているのが本書

    『「ペットロス」は乗りこえられますか?心をささえる10のこと』です。

     

    「ペットロス」や「グリーフケア」に関しての書籍は数多く出版されていますが、

    本書のように優しく語りかけるような調子で私たちに寄りそってくれる本というのは貴重かもしれません。

    悲しみや喪失感で気力が一切ない、という時でもこの本なら、読むというよりは眺めるという感覚で心にすっと入ってくるかもしれません。

    その点では、普段全く本なんて読まないという方にとっても読みやすいと思います。

     

    まさにペットロスの最中にすべてが真っ暗になってしまうような暗闇のなかを、

    そっと照らす柔らかな光のような印象を持ちました。

     

    最近ペットがなくなってしまって悲しみの底にある、という人だけではなく、

    今は愛するペットと楽しく暮らしているけどいつかは・・・、という人、

    また身近な周囲にペットと暮らしている人、にとっても手に取ってもらえるような一冊になっていると思います。

    気になった方は手にとってみてはいかがでしょうか?

     

    なお私たちペット愛葬社の福井動物霊苑では、

    本書のサイン本がおかれていますので、お近くの皆さまはどうぞご覧くださいませ。

     

     

    ペット愛葬社 石郷岡

     

    当社は北陸地域の金沢市、小松市、福井市、鯖江市の計8ケ所に店舗があり 石川は加賀・福井は敦賀と全域で、
    ペット犬、猫、及び他動物のペット葬儀、ペット火葬、納骨、動物霊園運営を行っております
    葬儀式場(セレモニー)や火葬場、動物霊園・ペット霊園の事前見学やご相談など致しておりますので、お気軽にご相談ください

     

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