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ペットが子どもの心を豊かに成長させる

    ”子供が生まれたら犬を飼いなさい。

    子供が赤ん坊の時、子供の良き守り手となるでしょう。

    子供が幼年期の時、子供の良き遊び相手となるでしょう。

    子供が少年期の時、子供の良き理解者となるでしょう。

    そして子供が青年になった時、

    自らの死をもって子供に命の尊さを教えるでしょう。”

     

     

    これはペットとして家庭に迎え入れられた犬が、子どもと成長を共にして行く中で、

    子どもにとって計り知れない大きな役割を果たす様子を美しく描いた作者不詳の詩です。

    読者の皆さんの中にはどこかで目にしたことがある方もいらっしゃるかもしれません。

     

    この詩に登場するのは犬ですが、犬に限らず、

    子どもがペットや動物と一緒に時間を過ごすことで、詩のストーリーのように、命の大切さや愛情の心を育むことができると考えられています。

    ここでは子どもとペットの関わりが成長にどのように影響しているのか、前述の詩にならいライフステージごとにみてみましょう。

     

    子どもの成長過程ごとの、ペットとの関係

    乳児期 ”子供の良き守り手となるでしょう”

    生後~乳児期は、まだ食事や排せつ等の全てを、両親や他者のお世話に依存している時期です。

    一方で犬の場合は人間に比べライフサイクルが早く、人間よりも早く成長し、年をとります。

    およそ1年で成犬になるといわれており、犬にとっては人間の赤ちゃん・乳児がどんな存在か認識できていると考えられます。

    そのため、犬が乳児を守るべき対象と考えていたとしても不思議ではありません。

    犬の立場からすると、赤ちゃんや乳児期の子どもは、まだ自分よりも弱い庇護の対象として関係を持っていると考えられます。

     

    幼年期 ”子供の良き遊び相手となるでしょう”

    このころになると、子どもは他人とコミュニケーションをとったり、日常生活の多くを自分自身で行う事ができるようになってきます。

    気持ちのコントロールができるようになったり、家族を含めた他者との関わりを理解し始める時期でもあります。

    そうした時期には、家庭で飼っている犬や猫に対しても、一緒に遊んだりする相手としての愛着、友情や仲間意識といった関係性が育まれるといえます。

    とりわけ犬を飼っているという場合には、犬の立場っからも、子どもに対して仲間意識を持って遊んだり寄り添ったりといった行動も見られるでしょう。

    まさにお互いに「良き遊び相手」となる関係です。

     

     

    少年期 ”子供の良き理解者となるでしょう”

    少年期に入り、およそ10歳ごろになると、自分中心のものの見方だけでなく、他者の視点に立った考え方や捉え方ができるようになるといわれます。

    そうしたなか動物と一緒に過ごすことで、動物やペットの立場に立って相手を思いやる気持ちが芽生えるようになります。

    また、この時期はまもなく思春期に入り、さまざまな悩みや挫折の経験も起こってくる時期になります。

    そんな時に、子どもがペットにそっと打ち明けるように語りかけることを、静かに、否定することなく聞いてくれる姿は、子どもにとってある種のセラピストのような存在となってくれます。

    ただ私たちの目をじっと見つめて、話すことを聞いてくれます。

    このことが、私たちを理解してくれているという深い安心感を子どもにあたえ、「良き理解者」としてそばに寄り添ってくれる確かさをもたらしてくれます。

     

    青年期 ”自らの死をもって子供に命の尊さを教えるでしょう”

    ペットと一緒に過ごす中で、子どもは愛情や思いやりの心、他者との関係についてを学んでいきます。

    ペットの存在が大人だけでなく、こうして子どもにも大きな成長をもたらしてくれることは疑いようがありません。

    そして、子どもが成長し青年になるころには、犬や猫は老いのライフステージにさしかかり、最後には死を迎えます。

    全ての命が避けることのできない死について、死という大切な存在との別れの悲しみと痛み、生前与えてくれたかけがえのない思い出の数々・・・

    沢山の事を、その命の終わりをもって子どもに教えてくれるのです。

     

     

    ペットが子どもの成長に与える影響

    ここまでは、子どもの成長の各段階ごとに、おおまかにペットとの関係性や、心の成長にかかわる影響についてみました。

    ここからは、ペットが子供の精神的成長にどのような影響をもたらしているかを、もう少し掘り下げてみましょう。

     

    心の成長

    子どもは周囲の環境に影響を受けながら成長していきます。このことは私たちにとっても自然に理解できることでしょう。

    家族や親せき・友人関係といった人間関係はもちろん、住環境であったり、地域社会の関係といった、ほとんどすべての周囲の環境から少なからず影響を受けているといってもいいかもしれません。

     

    そんななかで、ペットを飼うことも、子どもの発達に良い影響を与えていると考えられています。

    特に心の豊かさや優しさの面で、子どもの共感性や自律性、自分ならできるといったポジティブな感情を育む助けになるといいます。

     

    また、ペットを飼育したり一緒に過ごす時間の中で、いつもペットは自分を愛してくれている、受け入れられている、といった心理的なサポートを感じることができることも、子どもにとっての安心感につながります。

    さらに、ペットは悩みや相談事を打ち明けることができる相手になってくれます。肯定も否定もせず、ただ静かに語りかける言葉に耳を傾けてくれているように感じられる、こうした無条件の受容とでも呼ぶべき姿勢や態度は、理想のカウンセラー像といってもいいかもしれません。

    そうした点で、ペットはかけがえのない聞き役・相談相手になってくれ、そのことが、子どもたちに根気や勇気、心強さをを与えてくれ、日々を前向きに過ごしていく手助けになっていくはずです。

     

    こうして、子どもたちはペットとのふれあいを通じて、他者への愛情や、命を大切に思う気持ち、観察力や責任感、共感力、忍耐力など様々な心の豊かさを獲得していきます。

     

     

    死が何かを体験し知る

    飼っているペットの死を経験することで、死とはいったいどういうものなのか、死について考える機会になり、それが人格的な成長をもたらすと考えられています。

    ペットは私たち人間よりも寿命が短く、そのため私たちよりも先に老いてゆき、死を迎えます。

    そうしたプロセスを見届けることで、死について体感的に感じとり、命の大切さを学び取るきっかけになるのです。

     

    では子どもはいつ頃から、死について理解できるようになるのでしょうか。

    一般にはおよそ4歳から8歳くらいの時期に、少しずつ死の概念を理解でるようになるといわれます。

    死を迎えた命は二度と戻らないこと、死は生命活動が終わりを迎えること、全ての命が最後に死を迎えること、こうした死についての事実を理解できるようになっていきます。

    こうして身近なペットが、その命の終わりをもって子どもたちにも命の尊さを教えてくれ、私たちはそこから人格的な成長をすることができるといえます。

     

    愛着の重要性

    しかしながら、ただ家庭でペットを飼っていればそれだけでよい、というわけではありません。

    子どもが動物に対して愛着を持っていることがとても重要になります。

    愛情を持っているからこそ、ペットの事を気遣い、相手の立場になってものを考え、どうしたら大好きな相手にとって良いことができるのかを考え行動するようになります。

    そうした経過のなかで、達成感を感じたり、ペットだけではなく、他の動物や他者に対しての思いやりの心を育んでいくことになるのです。

     

    飼っているペットが死んで悲しいのも、それまでの愛着や愛情をもって一緒に過ごしてきたからです。

    そして悲しみや喪失の体験を通して、死とは何か、命とは何か、生とは何かを意識するようになることで、命の尊さに気づくようになっていきます。子どもにとって衝撃的な体験になりますが、そこから学び取っていくことは大きいといえます。

     

    成長のためにペットを飼う(買う)べきか?

    こうしてみると、家庭でペットを迎え飼育することは、子どもの成長に大きな良い影響を与える可能性がある、ということが見えてきます。

    子どもの情操教育の面では、ペットと一緒に過ごし愛着を育むことが文字通り「必須」の事のように思えてくるかもしれません。

    しかし、ペットを飼うことは子どもにとっての良い成長に不可欠なものなのでしょうか?

     

    家庭でペットを飼うことは、子どもの成長に良い影響がある一方で、飼育に伴う負担の増加は確実に起こります。ここではそうした、メリットとデメリットを考えてみましょう。

     

    メリット

    これまでに見たように、子どもの心の豊かさを育んだり、内面的な成長においてさまざまな良い影響がもたらされることが最大のメリットです。

    加えて、動物の触り方や世話の仕方などといった取り扱いを体験的に学習できることも利点として挙げられるでしょう。普段とは様子が違うな?といった観察眼を養う助けにもなるでしょう。

    また家庭にペットがいることで、家庭内が和やかな雰囲気になったり、ペットを通じて家族関係がより親密で円滑なものになる事が期待できます。子どもにとってより健全な形でのびのびと毎日を過ごすことができるようになるでしょう。

     

    デメリット

    家庭でペットを飼うことは、子どもの心の成長にさまざまなメリットがある一方で、

    一定程度の負担が増えてしまうことは避けられないことのように思われます。

    食事を与えたりトイレの掃除をしたり、体調管理をしたりといったペットのお世話の負担を筆頭に、

    ペットの食事代や医療費といった経済的負担、ケージの設置や空調管理などの環境整備の必要もあり、

    こうしたお世話や準備ができるのかをよく考える必要があります。

    これらはもちろん子育ての忙しさや大変さに加わってくるものです。

    また飼育放棄は許されませんから、ペットの最期まで責任をもって面倒を見る義務が伴う事も忘れてはいけません。

     

     

    核家族がほとんどの今日では、ペットの飼育やお世話にあたり、誰がどのような役割を分担するか、といった点を含め、家庭内がペットを迎え入れるのに適しているか、可能であるかを慎重に検討する必要があるでしょう。

    ただ単に子どもの成長に良い面があるからといって安易に飼う(買う)ことは控えるべきです。

    前述のように、子どもにとってペットへの愛着を持てなければ心の成長は得られないので、ペットの存在が重荷になるようでは愛情の芽生えも期待できず、本末転倒になりかねません。

    それだけではなく、家庭にやってきたペットにとっても、そこでみんなに愛されなければそれは不遇な悲劇でしかありません。そのようなことは絶対に避けなければなりません。

    本当に、家族全員で協力して最後まで愛情を持って過ごしていくことができるのか、子どもと一緒に考えてみることがたいせつです。

     

    家庭以外でも触れ合いの場があり、そこからも学べる

    しかしながら、家庭でペットや動物を迎え入れなければ動物を通しての成長が得られない、というわけではありません。

    家庭で生活を共にするペットとの密接な結びつきほどではないにしろ、いろいろな場で動物との触れ合いを持つことができます。

     

    保育所や学校

     

    家庭以外でもっとも動物たちとの触れ合いの場を身近にしているのが、保育所や幼稚園、こども園、あるいは学校といった施設です。そこでは動物が飼育されていることが多く、幼少期から動物に接する機会を得ることができます。

    特に、小学校では学習指導要領にも生命を大切にする教育について記載されていて、学習内容のひとつに位置付けられています。そのため、家庭でペットを飼っていなくても、学校で飼育されている動物とのふれあいを通して心の成長に良い影響を得ることができるといえます。

    もちろん、保育所や学校で飼育されている動物はみんなのものという位置づけになりますから、家庭で飼っているペットのような深い関係性はやや生まれにくいかもしれません。

    しかしながら、意識的に動物との関係づくりをしていく中で、愛情をもって接するようになれば、充分心の成長を育むきっかけになるといえるでしょう。

     

    家庭でペットを飼う、という以外にも、保育所や学校などで飼われている動物と積極的に触れ合うことで、思いやりの心や、愛情を持って接すること、命の大切さを学んでいくことができます。

     

    まとめ

    ここまで、ペットを飼うことが子どもの心の成長によい影響を与えるということについてみてきました。

    ペットは子どもの良い兄妹や友人のようになって楽しい時間を一緒にすごしてくれて、

    また何でも安心して打ち明けることができる相談相手になってくれて、

    そしてその生涯を通して命の尊さと、死について教えてくれる。

    一緒に過ごす何気ない時間の中で、子どもの心に大きな成長をもたらしてくれます。

     

    冒頭でご紹介した詩は、このような子どもの成長のそれぞれの段階で、ペットが与えてくれる心の豊かさを象徴的に表している素敵な詩だと感じます。

    きっと多くの人があまり意識しなくても、感覚的に受け入れることのできる内容ではないでしょうか。

     

    筆者は個人的には、「自らの死をもって子供に命の尊さを教えるでしょう」というフレーズが一番胸を打ちます。

    ずっと自分のそばでよい友達、兄妹、家族でいてくれて、たくさんの事を教えてくれたペットが、

    最後の最後にその命を終えてなお、命の尊さと死の何たるかを心に刻み付けて残していってくれる。

    そんな、「ありがとう」の言葉だけでは尽くせない、途方もない私たちへの献身を感じます。

     

    こうして私たちが大切に思うペットたちの存在は、子どもの心を良い方向へ導き成長させてくれるのです。

    ペット愛葬社 石郷岡

     

     

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