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共生関係にある生き物たち

    はじめに

    共生とは、異なる種の生物が互いに利益を得るために密接な関係を築くことを指します。

    この関係は、自然界の生態系において非常に重要な役割を果たしています。

    以下に、共生関係にある生き物の具体例を、特に両者にとって有益な、相利共生の関係をいくつか挙げ、それぞれについて詳しく説明します。

     

     

    1. サンゴと藻類

    色とりどりの姿で私たちをひきつけるサンゴ。

    彼らは動物でありながら植物と共生することを選んだめずらしい種です。

    サンゴは褐色藻と細胞レベルで共存しており、褐色藻は光合成を行い、サンゴに必要な栄養分を供給します。

    一方、サンゴは藻に住処を提供し保護します。

    サンゴの特徴的な色合いは、この褐色藻によるものなのです。

    サンゴがその藻を獲得するのにはいくつかあり、ひとつは親の持っている藻の一部を引き継ぐパターン、他には海中にいる藻を直接取り込むなどといった方法があります。

     

     

     

     

    しかし近年、海水の汚染や、温度の上昇による急激な環境の変化によるストレスから、褐虫藻がサンゴから抜け出す事態がおきています。

    藻のいなくなったサンゴは色が抜け、俗に言う白化現象が深刻化しています。

    バランスが崩れる事によって共生関係が続かなくなると、最終的に両方が死滅することもあるのです。

    ですがこの現象を少しでも抑えるため、人工的に培養した藻をサンゴに取り込ませるといった研究が進んでいます。

     

     

    2. ミツバチと花

    ミツバチと花の関係は、植物の受粉において重要な役割を果たします。

    ミツバチは花の蜜を集めるために飛び回り、その過程で花粉を運びます。

    これにより、花は受粉されて種子を作ることができます。ミツバチにとっても、蜜はエネルギー源として欠かせないものです。

     

    この関係は他の種でも見られるもので、代表的なハチの他には、チョウやハチドリなども同様の働きをしており、こういった生き物は送紛者と呼ばれています。

    またこういった共生関係に特化した生き物もおり、例えばハチドリは、その多くが特定の花の形に合うようなクチバシを持っており、同じ種類の花の受粉率を上げています。

     

     

     

     

    また花に関しても、ビーオーキッド(ハチのラン)と呼ばれるオフリス・アピフェラの花は、メスのハチの姿に擬態しています。

    オスが交尾目的でこの花に近づくと、花粉の塊を付着させるのです。

    これは片方が一方的に利益を生む片利共生の関係になりますが、花もその運び手も、それぞれが目的のために特化した進化を遂げているのです。

     

     

    3. クマノミとイソギンチャク

    特徴的なオレンジ色と白や黒のラインで有名なカクレクマノミ、いわゆるクマノミと呼ばれる種とイソギンチャクの共生関係もよく知られています。

    クマノミはイソギンチャクの触手の間に住み、外敵から身を守ります。

    他の種では毒の餌食となってしまいますが、特殊な粘液に包まれたクマノミは全く問題なし。

    クマノミを捕食しようとする外敵も、一度イソギンチャクの中に逃げられてしまうと、触手にある毒を恐れてうかつに近づくことができなくなるのです。

     

    クマノミはプランクトンや藻といった種類の餌を好みますが、それをイソギンチャクの中にしまう習性もあります。

    イソギンチャクは、自ら動いて獲物を捕まえられない自らの代わりに、おこぼれとしてクマノミの持って来た餌をもらうのです。

    それだけではなく、イソギンチャクの触手に付着する寄生虫を取り除き、周りを泳ぐことで新鮮な海水を送り出し、循環させる役割も果たします。

     

     

     

     

    4. イソギンチャクとカニ

    イソギンチャクの共生相手はクマノミだけではありません。

    キンチャクガニは自身のはさみにイソギンチャクを付けるという、とてもユニークな生態を持ちます。

    チアリーダーの使うポンポンにも見えて愛嬌すらありますが、カニにとって武器にもなるはさみを使ってまで、なぜイソギンチャクを持ち運ぶのか。

    これもクマノミと同じく捕食者を追い払うために利用しているようです。

    イソギンチャクはカニの移動によって新しい食物源にアクセスし、食べかすをもらうことで恩恵を得ているのです。

     

    しかし彼らはどこからイソギンチャクを獲得しているのか、実は共生していない、単独で生きている(キンチャクガニが持っている種の)イソギンチャクは見つかっておらず、はっきりしていないのだそう。

    イソギンチャクを持ち運ぶキンチャクガニには、まだまだ謎な所も多いようです。

     

     

     

     

    5. アリとアブラムシ

    アリとアブラムシの関係は、同じ虫同士で、互いに利益をもたらします。アブラムシは植物の樹液を吸い、その際に甘露(ハニー・デュー)と呼ばれる糖分を含む液体を分泌します。

    これは本来、アブラムシにとっては老廃物であり不要なものなのですが、これを狙う昆虫がいます。

    その例がテントウムシ。彼らはこの栄養を求めてアブラムシごと捕食するのです。

     

     

     

     

    一方でアリはこの甘露を食べる点ではテントウムシと同様ですが、大きく違うのはアブラムシを守り、天敵からの捕食を防ぐということ。

    これにより、アブラムシはアリに守ってもらい、逆にアリはアブラムシから食料を分けてもらう図式が成り立つのです。

    アリもテントウムシも、目的は同じながらとる行動は全く異なってくるのは興味深い点と言えるでしょう。

     

     

    6.  ナマケモノと蛾

    ナマケモノはその名が表すようにとても動きが鈍い動物です。

    それは捕食者に極力見つからないようにするためで、危険な地上からも離れた樹上で一日のほとんどを過ごします。

    しかし排泄時はあえて危険な地上に行き、その結果天敵に見つかることすらあります。

    一見意味のない行為に思えるそれも、実はとある生物との共生の結果である可能性が示唆されたのです。

     

    それが蛾です。蛾は、ナマケモノの糞に卵を産み付け、その糞を食料にして幼虫を育てます。

    そして成虫となった蛾はナマケモノの毛の中に住み、交尾も毛の中で行います。

    そして卵をまた糞に産み付けるのです。

    謎とされていた排泄時のナマケモノの行動の正体は、同じ場所に排泄する事によって、蛾が産卵する可能性を高める役割があったのです。

     

     

     

     

    蛾は住処と食料を提供してもらっていましたが、ナマケモノはどうなのでしょうか。

    ナマケモノの毛の間には藻類が繁殖し、これがナマケモノのカモフラージュとして機能するほか、彼らの食料にもなります。

    方法はまだ不明ですが、蛾は窒素を運ぶことによって藻の成長を促進させているのです。

    消費できるエネルギーに限りがある分、何もせずとも育つ食料はナマケモノにとって生命線なのです。彼らも大きな恩恵を蛾から得ているのです。

     

     

    7. イチジクとイチジクコバチ

    イチジクは750種以上も仲間のいる多様な植物だが、送粉者はたった一種しかいません。

    それがイチジクコバチで、イチジクはコバチによって花粉を運んでもらうことで受粉を促してもらっています。

    ではコバチはどういった利点があるのでしょうか。

     

     

     

     

    まずコバチは、メスがイチジクの花嚢を見つけると中に侵入しようとします。

    その理由は花粉を運ぶこと、そしてなにより花嚢の中で産卵する為です。

    この花嚢に入る事は容易ではなく、メスのコバチはその過程で羽根を落としてしまうほど。

    そして出ることも難しいため、産卵後はそこで終わりを迎えます。

     

    花の中で成長したコバチは花の中で成長、交尾まで行い、その後メスのみが外へ出てまた花嚢の中に産卵します。

    つまりオスは外に出る事がないまま一生を終えるのです。

    過酷なようにも思えるコバチの一生ですが、限りなく外敵に遭わないための、彼らなりの戦術と言えるでしょう。

     

     

    8. 人間と腸内細菌

    共生は野生の動物だけが持つ特権ではありません。

    我々人間とも共生関係にある生き物は身近に存在しています。

    それが腸内細菌。細菌、と聞くとネガティブなイメージが付きがちでしたが、近年は善玉菌や腸内フローラといった言葉が広まった影響でそういった認識は変わりつつあります。

     

    ああいった腸内細菌は数兆もの数が住んでおり、これが消化吸収を助け、免疫系を強化します。

    一方、腸内細菌は人間の体内で栄養を得て生存し、その数を増やしています。

    この関係は健康維持において非常に重要で、サプリメントや食生活、生活習慣の改善等で体調も変わります。

    私たちが普段行っていた健康管理も、共生によって成り立っていたと考えると、少し不思議な気持ちになりますね。

     

     

     

     

    9. 人間とその他の生き物

    人間が築いている相利関係は、体内で行われていることだけではありません。

    私たちが生きていくうえで欠かす事の出来ない農業や畜産業も相利共生です。

    人間は米やその他の野菜などの農産物から食材や素材を得ることで、農産物は人間による良質な環境や安定した繁殖を提供してもらえるというメリットがあります。

     

     

     

     

    家畜においても同様で、人間は食肉として収穫することで、動物は生育環境の整った場所での繁殖を可能としています。

    植物も品種改良が行われていますが、家畜は特にイノシシがブタとなったように、家畜化という形で進化しており、人間に半ば依存するように生きています。

    それが顕著に表れているのがカイコで、彼らは野生に回帰する能力を完全に喪失しており、人間の飼育下でしか生存することができません。

     

     

    まとめ

    これらの例からもわかるように、共生関係は生物の生存戦略として、そしてより安定した生活を送るために重要となってきます。

    異なる種の生物が互いに助け合うことで、生態系全体のバランスが保たれ、繁栄していくのです。

    このような関係は、まだ謎が多いながらも、自然界の複雑な相互作用を理解する上で欠かせない要素です。

    そして、一見とるに足らない様な物、生き物でも、何かしらに影響しているのです。

    つまり、たったひとつでも関係が崩れてしまえば、生態系全体に重大な悪影響を及ぼすリスクがあります。

    共生関係の研究は、環境保護や生物多様性の維持においても重要な役割を果たしています。そしてそれは私たち人間もまた例外ではないのです。

     

     

     

     

    ペット愛葬社 岡島

     

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